今日は、令和3年度 第45問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第45

不動産の税金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

①サラリーマン等給与所得者は会社の年末調整により税額が確定するので、通常は確定申告をする必要はないが、不動産所得がある場合には、確定申告により計算・納付をしなければならない。

②不動産所得の計算において、個人の場合、減価償却の方法は定率法を原則とするが、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば定額法によることも認められる。

③賃貸不動産購入時のさまざまな支出のうち、不動産取得税や登録免許税、登記費用、収入印紙等はその年の必要経費とすることができるが、建築完成披露のための支出は建物の取得価額に含まれる。

④不動産所得の収入に計上すべき金額は、その年の1月1日から12 月31日までの間に実際に受領した金額とすることが原則であり、未収賃料等を収入金額に含める必要はない。

 

解説

税金に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


選択肢①

サラリーマン等給与所得者は会社の年末調整により税額が確定するので、通常は確定申告をする必要はないが、不動産所得がある場合には、確定申告により計算・納付をしなければならない。

 

〇適切です。

給与所得者の場合は、年末調整を行うことにより税額が確定するため、一般的には確定申告を行う必要はありませんが、不動産所得を得ている人は、原則として確定申告により所得税を納税する義務があります。

よってこの選択肢は適切です。


 

選択肢②

不動産所得の計算において、個人の場合、減価償却の方法は定率法を原則とするが、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば定額法によることも認められる。

 

×不適切です。

減価償却の方法について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

定額法は、毎年の減価償却費が同額となるように計算する方法です。個人の場合は、原則として定額法を用いて減価償却費を計算します。税務署に届け出ることにより、定率法を採用できる場合もあります。

つまり、不動産所得の計算において、個人の場合、減価償却の方法は定額法を原則としますが、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば定率法によることも認められます。

よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢③

賃貸不動産購入時のさまざまな支出のうち、不動産取得税や登録免許税、登記費用、収入印紙等はその年の必要経費とすることができるが、建築完成披露のための支出は建物の取得価額に含まれる

 

×不適切です。

建物の取得価額とは、建物の購入代金と、その際にかかった不随費用を合わせた金額のことで、取得金額は減価償却を計算する基礎になります。不動産購入時にかかる費用の中で、取得価額に含めなくても良いとされているのは、不動産取得税などの租税公課、登記費用、収入印紙、保険料などです。建築完成披露のための支出は、落成式や竣工式のような儀式・式典に要した費用のことと考えられますが、いずれにしても建物の取得価額に含まず、その年の必要経費とすることができます。

つまり、賃貸不動産購入時のさまざまな支出のうち、不動産取得税や登録免許税、登記費用、収入印紙等はその年の必要経費とすることができ、建築完成披露のための支出についてもその年の必要経費とすることができますよってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢④

不動産所得の収入に計上すべき金額は、その年の1月1日から12 月31日までの間に実際に受領した金額とすることが原則であり、未収賃料等を収入金額に含める必要はない。

 

×不適切です。

不動産所得の収入金額について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

不動産収入の金額は、原則としてその年の1/1~12/31までの間に受領すべき金額とされていて、家賃が滞納されている場合など、未収がある場合も収入金額に含めなければなりません。

つまり、不動産所得の収入に計上すべき金額は、その年の1月1日から12 月31日までの間に実際に受領すべき金額とすることが原則であり、未収賃料等も収入金額に含める必要があります。よってこの選択肢は不適切です。


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

不動産経営に関する税金については、かなり幅広い知識が求められます。

本試験においても、例年1~数問出題されていますが、中でも重要なのは所得税に関する問題です。

ぜひ所得税に関する知識を中心に、理解を深めていただければと思います。

 

まとめシートは、ここから立ち読みできますので、ぜひ試してみてくださいね。

 

 

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